〜梅雨前後の体調管理とセラピストができるケア〜春の終わりから梅雨にかけては、気温差+湿度の急上昇という二重のストレスが身体にかかりやすくなります。この時期、「冷房が苦手になった」「身体が重だるい」「関節が痛い」「朝起きてもスッキリしない」など、水分代謝や自律神経の乱れに関連する不調を訴える方が増えてきます。実際に私自身も、梅雨入り前後に「足先の冷え」や「胃腸のもたれ」「気分の低下」を感じることがあり、こうした湿気や冷えに対する“内なる弱さ”を意識させられる季節です。湿気と冷えが及ぼす身体への影響東洋医学では、*梅雨時の湿気を「湿邪(しつじゃ)」*と呼びます。湿邪は“重たく、下にたまりやすい”という性質があり、消化器系(脾・胃)や下半身(脚・腰)に停滞を生じさせるとされています。たとえば…胃もたれ・食欲不振:脾胃の機能低下むくみ・関節痛・頭重感:水分の代謝不良気分の落ち込み・集中力の低下:気の巡りの停滞現代医学でも、高湿度環境が交感神経を刺激しにくく、副交感神経優位に偏ることで、血流や代謝が落ちやすくなることが分かっています。また、湿度が高まると汗の蒸散が妨げられ、体温調節機能の破綻→だるさ・疲労感に繋がります。こんな人は梅雨時に要注意冷え性・低体温気味胃腸が弱い(下痢や食欲不振になりやすい)雨の日に関節痛・頭痛が出る湿度の高いサウナや夏場の台所が苦手むくみやすく、足がだるく感じることがあるこれらの傾向がある方は、*“湿と冷えの影響を受けやすい体質”*といえるかもしれません。梅雨時におすすめのセルフケア3選〜「巡り」と「温め」で体を整える〜① 足元の温熱ケア(足湯・レッグウォーマー)湿気は下半身にたまりやすいため、足首〜ふくらはぎの冷え対策が重要です。特に、三陰交・足三里・湧泉などのツボを温めることで、脾・腎・肝のエネルギーサポートと代謝アップが期待できます。足湯は38〜40℃で10分前後寝る前にドライヤーで足裏〜足首を温めるのもおすすめ② 呼吸+背骨ゆるめストレッチ梅雨時のだるさは“横隔膜の動きの悪さ”にも関係しています。深い呼吸と背骨の柔軟性を取り戻すことで、自律神経の調整とリンパ・血流の改善に。仰向けで両手をバンザイし、ゆっくり深呼吸×5回猫背〜反り腰の切り替え体操(キャット&カウ)③ 食事で「水はけ力」をアップ梅雨は“消化吸収”に負担がかかる季節でもあるため、胃腸に優しい食事+水分代謝を促す食材を意識しましょう。温野菜、味噌汁、発酵食品を中心に利尿作用のある「はと麦」「小豆」「生姜」「しそ」なども◎セラピスト的アプローチPOINT:施術前に“足浴やホットタオル”を活用し、冷えを緩和した上でのアプローチが有効背部〜腰部の腎・膀胱系経絡への軽擦刺激頭部や顔面の湿気(湿熱)によるむくみには、百会や印堂、太陽などの軽圧もおすすめまとめ梅雨前後は、湿気による“内なる冷え”に注意が必要な時期です。外気の湿度だけでなく、体内の水分停滞や自律神経の乱れが症状の引き金となります。「冷やさない・ためない・巡らせる」ことを意識したセルフケアと、セラピストによる体質別サポートで、ジメジメ季節も快適に乗り切っていきましょう。